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ぱいおつ日記

ぱいおつは終わりました。

選択公理ってなんなんだろう。

突然だけど$X,Y\neq\emptyset$に対して$X\times Y$っていうものが空かどうか考えてみましょう。

まあ$X$も$Y$も空でないってしてあるので当然$x\in X$と$y\in Y$が取れますね。

なので$(x,y)\in X\times Y$となるから$X\times Y$は空でないと分かりますね。

 

$2$個の集合じゃなくて$n$個の集合で考えても一緒ですね。

つまり、$X_{1},...,X_{n}\neq\emptyset$に対して$x_{1}\in X_{1},...,x_{n}\in X_{n}$が取れるので$(x_{1},...,x_{n})\in X_{1}\times ... \times X_{n}$となり、$X_{1}\times...\times X_{n}\neq\emptyset$と分かります。

 

じゃあ今度は、次の命題を考えてみましょう。

 

命題

$f\colon\mathbb{R}\to\mathbb{R}$と$\alpha\in\mathbb{R}$ について、$\alpha$に収束する任意の数列$\{x_{n}\}\subseteq\mathbb{R}$で$f(x_{n})$が$f(\alpha)$に収束するとする。このとき、$f$は$\alpha$で連続となる。

 

さて、この命題を背理法で証明していってみましょう。

 (証明)

$f$が$\alpha$で連続でないと仮定して矛盾を導く。

この仮定より、まず、$\forall\delta>0,\exists x\in\mathbb{R},|x-\alpha|<\delta\land|f(x)-f(\alpha)|\geq\epsilon$となるような$\epsilon\in\mathbb{R}$が存在する。

この$\epsilon$に対して、各$\delta_{n}\colon=\frac{1}{n}$で数列$\{\delta_{n}\}$を考える。

各$n\in\mathbb{N}$で$X_{n}\colon=\{x\in\mathbb{R}\mid|x-\alpha|<\delta_{n}\land$$|f(x)-f(\alpha)|\geq\epsilon\}$とすると、各$X_{n}\neq\emptyset$である。

そこで、$a_{1}\in X_{1},a_{2}\in X_{2},...,a_{n}\in X_{n},...$というふうに点を取って数列$\{a_{n}\}$をつくる。

すると、各$n$で$|a_{n}-\alpha|<\delta_{n}=\frac{1}{n}$なので$a_{n}$は$\alpha$に収束する。

よって、命題の仮定から$f(a_{n})$は$f(\alpha)$に収束するはずである。

ところが、各$a_{n}\in X_{n}$より$|f(a_{n})-f(\alpha)|\geq\epsilon$なので$f(a_{n})$は$f(\alpha)$に収束しない。

これは矛盾しているので、仮定は誤りである。

つまり、$f$は$\alpha$で連続となる。$■$

 

はい。

まあパッと見た感じ、これで良さそうですよね。

 

でも、ちょっとよく考えてみてください。

上の証明で数列$\{a_{n}\}$というのを考えましたが、その作り方は、$X_{1},X_{2},...$から順番に元を取ってくるというものでした。

いちばん最初に挙げた例では考える集合の数が有限個だったからそういう操作が簡単だったけど、今回はどうでしょう。

$X_{1}$から$a_{1}$を取って、$X_{2}$から$a_{2}$を取って、$...$という操作は、永遠に終わりが見えてきません。

 

そこで役に立つのが、可算選択公理というものです。

それはいったいどういうものかというと、$\varphi\colon\mathbb{N}\to\underset{n\in\mathbb{N}}\cup,各\varphi(n)\in X_{n}$という、選択関数と呼ばれるものの存在を認めてしまおうというものです。

この公理を仮定しておけば、$\{a_{n}\},各a_{n}=\varphi(n)$という列で上の証明がちゃんと証明になるんですね。

便利な公理です。

 

さてさて、この可算選択公理をもっと便利にしたやつが選択公理です。

つまりどういうことかというと、次の主張を選択公理といいます;

任意の非空集合族$\{X_{\alpha}\}_{\alpha\in A}$について、ある$\varphi\colon A\to\underset{\alpha\in A}\cup X_{\alpha}$で$\forall\alpha\in A,\varphi(\alpha)\in X_{\alpha}$となる。

つまり、各$X_{\alpha}$から元をひとつずつ取って来れるということを保証してくれている公理なんですね。

添え字集合$A$の元の個数は$\mathbb{N}$より多くてもオッケーです。(たとえば$\mathbb{R}$とかもっと大きいものとか)

 

この選択公理があると、かのツォルンの補題とか整列可能定理とかが使えるようになって、とても便利なんですね~。

そのうちその証明とかも書こうかなーって思ってたり思っていなかったり。